http://www.inwap.com/pdp10/hbaker/hakmem/quaternions.html の翻訳です
まだけっこう理解できてない所があるのですが、とりあえず公開します
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   Beeler, M., Gosper, R.W., and Schroeppel, R. HAKMEM. MIT AI Memo 239,
   Feb. 29, 1972. Retyped and converted to html ('Web browser format) by
   Henry Baker, April, 1995.

四元数

  アイテム 107 (Salamin (訳注: Gene Salamin 氏)): 四元数

   四元数は、 1 個のスカラ + 1 個の (訳補: 三次元) ベクトル  である
   とみなすことができる 4ツ組である。線形的に加算可で、かつ、
   積 (非可換) は、

(S1+V1) (S2+V2) = S1 S2 - V1.V2 + S1 V2 + V1 S2 + V1 x V2  で定義される。

   ただし S = スカラ部  V = ベクトル部  . = 内積  x = 外積

   Q = S+V は、S = Q0, V = (Q1,Q2,Q3) とすると、(Q0,Q1,Q2,Q3) と表される。
   共役は (S+V)* = S-V で定義される。
   絶対値の平方は、

  2     2     2     2
Q0  + Q1  + Q2  + Q3  = Q Q* = Q* Q  である。

   非零な四元数は (1,0,0,0) = 1 を単位元として積において群をなし、かつ

1    Q*
- = ----  である。
Q   Q* Q

   単位四元数は、四次元空間内の三次元球に相当し、半群をなす。
   写像 F(Q) = P Q (P は単位四元数) は、四次元空間内の、変形しない
   回転である。これは、P Q が、四次元ベクトル Q と 4x4 行列の積を
   表していることで証明でき、かつゆえに行列の直交に noting ( ? ) である。
   単位四元数に限られた F(Q) は、三次元球の変形しない回転であり、
   かつこの写像は群変換(? group translation)であるので、不動点を持たない。

   四元数の内積は、四次元ベクトルの内積として定義できる。だから、
   Q1.Q2 = 0 ならば、Q1 は Q2 に対し直交である。
   N を単位ベクトルとする。全ての単位四元数 Q = S+V に対し、四元数

N Q = -N.V + N S + N x V  と attach する。

   また、そうすると

(N Q).(N Q) = N.N = 1 と (N Q).Q = 0  となることもわかる。

   幾何的には、これは N Q が三次元球に対する正接の、連続した単位四次元
   ベクトル空間であることを意味する。普通の二次元球には、そのような正
   接ベクトルはない。明らかに、一次元球はそのようなベクトル空間を持って
   いる。

   問題: 連続した単位正接ベクトル空間があるのはどんな N次元球か。

   W をベクトル (スカラ部が零の四元数) とし、Q = S+V とすると、

Q W Q* = (S^2 + V.V) W + 2 S V x W + 2 V (V.W)  である。(訳注: 原文ママ。最初の演算子の + は誤植)
Q W Q* = (S^2 - V.V) W + 2 S V x W + 2 V (V.W)  である。(訳注: 原文の誤植を修正。こちらが正しい)

   N を単位ベクトルとし、Q を単位四元数とすると、

Q = ±(cos(θ/2) + N sin(θ/2))  である。

   よって

Q W Q* = (cos θ) W + (sin θ) (N x W) + (1-cos θ) N (N.W)  であり、

   これは、W を N について角度 θ 回転させたものである。もし、Q が、この
   ように、回転 R に induce するのであれば、Q1 Q2 は、回転 R1 R2 に
   induce する。ゆえに、projective な三次元球 (+Q と -Q はidentified)
   は、回転群 (3x3 の直交行列) と同等である。Projectiveness は、不可避で
   あり、なぜなら、2π 回転はすべての座標軸について Q = 1 を連続的に Q = -1
   に変えるからである。

   U を 回転群 (普通の三次元回転) 内の neighborhood of the identity とし、
   U1 を、相当する、in the neighborhood of 1 の、単位四元数の集合とする。
   もし、回転 R が U を U' に移動するならば、R に相当する単位四元数も
   U1 を U1' に移動する。しかし、四元数の積は、三次元球の、変形しない回転
   なので、U1 と U1' は、同等の volume を持つ。これは、四元数が、
   回転群の表現であり、その measure は三次元球における Lebesgue measure
   であることを示している。

   全ての回転は、ある軸に対するある角 θ の回転である。もし、回転が、
   "一様に" 選ばれるならば、何が θ のもっともな表現であろうか。
   以上より、三次元球 (あるいは、ほんとうに projective なら半球) 上の点を
   一様に選ぶことができる。極座標表現で、

         2        θ  2
P(θ) = -- (sin -----) , 0 < θ < pi  であり、
        pi        2

   特に、θ の期待値は

pi    2
-- + --  である。
2    pi

   四元数は、回転の合成を積によって行うことができる、便利な 4 変数の
   回転の表現形式である。
   対照的に、オイラー角 (ロール, ピッチ, ヨー) のような 3
   変数表現は、三角法の合成を必要とし、直交行列は 9 変数である。
   D-lab で開発中の空間(訳注: この space は「宇宙」か?)ガイダンスシステムでは、
   スペースクラフトの姿勢が、ガイダンスコンピュータに四元数でストアされている。