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《勝手に番外編》静岡 SF 大全

このコンテンツは、ドンブラコン L のプログレスレポートの「静岡 SF 大全」にインスパイヤされてきしもとが勝手に作っているものです。同 SF 大会実行委員会とかとは一切関係ありませんのでご注意ください

「青猫の街」

「青猫の街」(第十回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞)の序盤で主人公が故郷に戻り、駅前商店街を歩いて街の変貌を感じるシーンがあるが、そのシーンは作者の実体験による静岡市の静岡駅駅北(特に一般商店の並ぶ呉服町通り)の変貌の様子がベースになっている。作品の執筆から 10 年あまりが経過し、大型書店の一軒が郊外に移転し郊外型店舗に転換、戸田書店が進出して移転して再移転、いくつかのブロックが再開発による大型店舗化、など、さらに変化が進んでいる。角地にあった書店のあとに入った店はさらに別の店となった。

「日本沈没」

「日本沈没」の原作小説は、東京駅の八重洲口から話が始まり、(説明的な描写は少ないが)東海道新幹線のこだまで静岡に向かうところから始まる。ビュフェのあるのが懐かしき新幹線という感じか。

というわけでそこの静岡に関するあたりについて。

同じ「日本沈没」でも、版によって手が加えられているらしく、手元のカッパノベルス版では他の版と少し描写が異なっている。カッパノベルス版では、静岡で在来線の下りに乗り換え、焼津から巡視船に乗り込んでいる。その在来線は、電車ではなく、電気機関車牽引の煤けた客車で、乗り合わせた乗客との他愛のない世間話などが書かれている。

後の版では、上りの在来線に乗り換えて、出港は清水からとなっており、在来線車内の描写などはカットされている。現実との整合という点では、焼津港は潜水艇を載せた巡視船を出港させる港としては少々ショボく、現在、平成の映画版に出演もした JAMSTEC の「ちきゅう」も寄港している清水港から出発するというのはリアルな設定である。

静岡駅は東海道新幹線開通時に、在来線の高架化等大改修をしたため、現在も「日本沈没」執筆当時とそれほど大きな変化はないので、「日本沈没」の作中の乗り換えはほぼそのままトレースできる。 ← (以下 2013 年 1 月加筆)勘違いでした。駅の高架化は 1979 年のことでしたので、『日本沈没』執筆時は、在来線は旧来の地平ホームだったことになります(加筆ここまで)。新幹線ホームから降りると広い踊り場のような場所に在来線への乗り換え改札があり、焼津に向かうのであれば乗り換え改札に近い側の、清水やドンブラコン会場である東静岡に向かうのであれば乗り換え改札から遠い側の在来線ホームに上がって乗り換える。

また、友人の郷が事故死する天竜川上流であるが、佐久間ダムの数キロ下流となっており、愛知との県境に近く長野県境もそう遠くない山間部だが、静岡県内、それほど有名ではないが酷道区間のある国道 152 号沿いと思われる。ようやっと現実になりだしているリニア計画では、より北の、南アルプスのほぼ中央をブチ抜く経路となったわけであるが。なお、国道 152 号沿線には、もっと北のほうであるが、中央構造線の露頭がいくつかある。

「ふわふわの泉」

焼津市は序盤のほうででてきてかなりアレな退場のしかたをするのですがそれはともかく、ロケーション的にはサッポロビールのでかい工場のあるあたりなんかがふわふわ工場のイメージなのかな、と思われる。ふわふわを収蔵するサイロの高さが 500m というのはちょうど市域北部の山地の最高地点と同じ高さなので、イメージを合成するとちょうど高さが並ぶ感じになるんじゃないかという感じ。