場所: 焼津市、当目山(虚空蔵山)山頂

碑文転載

(碑文は当時の市長、服部毅一氏による)

この地に無線電信試験所
を設置した由来は明治三
十六年日本海軍が時の逓
信省と協同して三六式無
線機の開發に成功したの
ち更に海上八十海里(約一
五〇粁)に到達する性能を
必要とし既存の三浦半島
試験所から同距離に当る
海岸に屹立し虚空山頂上
を最適地として選んだも
のと伝えられております
当時の海軍情報掌握手段
として画期的なことであ
つたしこの地で多数の学
生が養成され焼津無線電
信練習所が太平洋の触角
として重要な役割を果し
ていたことがうかがわれ
ます焼津の地に設置され
た船舶用無線電信機は日
本最初のものであり二十
二年後の大正十四年には
焼津漁業協同組合が時代
に魁けて漁業無線を開始
するなど今日の基礎とな
つたことは確かなことで
あります このような重
要な施設が焼津市内に存
在していたことが今人々
の記憶から次第に消え去
ろうとしております
故にゆかりの山頂に一碑
を建立して史跡を彰し今
人後世に末永く伝えるべ
く私共發起人一同念願し
ていることであります