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私家版 ジャーゴンファイル

コメント、情報提供、詳細問い合わせ(個人的な伝聞による情報等のため、意図的に具体的な名前を伏せていることがあります)など、何かありましたら ksmakoto◎dd●iij4u●or●jp まで。

中身を読めばわかると思うので特に注とか付けませんが、完全に冗談を書いてある項目などもあります。

実はひそかに name 属性を設定した a 要素を仕込んでありますので直リンクしたいかたはソース見て勝手にやってください。名前は気分で付けているので、そのうち気分で値を変えるかもしれませんが。

アイトロン

伊勢電子の蛍光表示管

青本(あおほん)

赤本(あかほん)

頭山(あたまやま)

落語の演目であるが、計算機科学や数学をやっている方面から見ると、再帰の概念をあらわしているということが驚嘆される作品。

頭を抱える(あたまをかかえる)

WS-I Basic Profile Version 1.0a の 5. Service Description (サービス記述)を読んで、次々と襲ってくる「不整合がある」「間違っている」「明確ではない」「混乱を引き起こす」「整合性がとれていない」「明らかではない」「多様な解釈が存在する」「いくつかの解釈がある」「間違って」などの記述を知ってしまった時の気分。

アニメック

ラポートの、アニメ雑誌のほうが有名であるが、元はアニメショップの名。新宿御苑前に本店ないし本部直営店があった、らしい。静岡市七間町(映画館、静岡オリオン座のあった付近、だと思う)にもあった。

アプリックス

網棚(あみだな)

旅客用の鉄道車両で、座席の上方にある荷物置き用の棚。最近は「網」棚であることのほうが珍しいが、昔は網が張ってある棚だったため、今でも他に適当な呼び名がないためか、こう呼ばれ続けている。

EIT(いーあいてぃー)

TRON(特にTRON Chip)における、プロセッサの非同期ジャンプまわりの扱いの分類。ページフォルトなど再開時に再実行するものを E = Exception(例外)、外部事象により起こる入出力要求などを I = Interrupt(割込み)、再開時に次の命令から実行する SVC(スーパバイザコール)や 0 除算などを T = Trap とした。よって例えば TRON Chip には「TRAP」という命令があり、外部要求の入力ピンは「割込み要求」であり、ページフォルトなどは例外である。とはいえ MMU や演算コプロセッサをプロセッサの内部とみるか外部とみるかで境界は微妙だったりするわけだが。

TRON Chip自体は廃れたものの、ITRON や T-Kernel の仕様中や三菱(現ルネサス)や富士通のプロセッサマニュアル中に「EIT 処理」などの表現がみられる。

メモ 1 http://www.j-tokkyo.com/1997/G06F/JP09288564.shtml、メモ 2 http://www.ekouhou.net/エラー処理方法及び情報処理装置/disp-A,2008-90542.html

メモ 3 http://www.google.gm/patents/US5680568、メモ 4 http://www.j-tokkyo.com/1997/G06F/JP09288564.shtml

石垣タイムゾーン(いしがきたいむぞーん)

昔、FreeBSD をインストールすると、日本のタイムゾーンとして、「Tokyo」の他に、なぜか「Ishigaki」という選択肢が現れていたことがあった。結論から言うと昔(戦前)の日本にあった「西部標準時」というものの情報が( JST をわざわざ「中央」標準時と今でも言っているのはこの名残りである)なぜか、ネット上にあったタイムゾーンの情報が参考にした文献に紛れ込んでいたためであった。「South Ryukyu Islandsの謎」調査の中間報告 および 最終報告が詳しい。

磯野アワビ(いそのあわび)

「サザエさん」の磯野波平の別名(?) 確認できる資料に、平凡社の雑誌「太陽」の『特集・日本のマンガ 法隆寺落書から「オンドリャー」まで』という号にて、あらゆるマンガのキャラクターが紹介されている中で、そう紹介されている。

(嘉門達夫の曲やラジオ番組のコーナーに「(新)さーて来週のアワビさんは」というのがあるそうだけど関連は未確認)

(「磯野家の謎」シリーズは未読)

kuni さんのゲームの、98 用「お猿」シリーズにイソノアワビと出てくるが、kuni さんにうかがってみたところ、偶然で、元ネタがあるものではない、とのことでした)

イタルデザイン

いたる絵な痛車を専門に手掛けるアトリエ。

イベントドリブン

コミックマーケット(などのようなイベント)合わせのスケジュール決定のこと、そのようなようす。

昔、この言葉を初めて目にしたのは 10 枚セットのフロッピーディスクのおまけの体験版 Quick BASIC の解説だったのだが、かなり長い間「イベントドンブリ」と空目していた。

インターセプト

英語で迎撃のことだが、前世紀末の秋葉原にそういう名前のフライトシミュレーション専門店があった。世紀がかわるごろにオンラインショップのみになり、ウェブアーカイブによれば 2003 年 7 月末にウェブから消えている。http://web.archive.org/web/19990125100250/http://www.intercept.co.jp/http://web.archive.org/web/20030725141702/http://intercept.co.jp/

ある意味で秋葉原が一番濃かった時代かもしれない。

うるう

日本語の、暦に関連する「うるう」は、太陰暦の「うるう月」から来ており、もともとは「余計な」の意味である。英語圏では「leap」だが、これは、毎年 1 日ずつ( 365 / 7 = 52 あまり 1 )ずれる暦日と曜日の対応が、うるう年には飛ぶことから来ている。なお、英語ではうるう月は intercalary month である。

うるう秒は、一度に 2 秒入ることはないのだが、C89(の脚注、および K&R2e)で秒のレンジが 0〜61 とされて以来、標準規格などでもそれを踏襲して「double leap seconds」に「対応」していた。POSIX 2004(Rational によれば UTC の定義によって double leap seconds は無い、ということを理由に)など、近年修正されつつある → http://www.opengroup.org/onlinepubs/009695399/basedefs/time.h.html

Python のドキュメントでは結構長いあいだ議論されていた → http://bugs.python.org/issue2568

comp.dcom.telecom の Message-ID: <a05v3h$e3a$1@news.tht.net> のメッセージによれば( https://groups.google.com/d/msg/comp.dcom.telecom/Qq0lwZYG_fI/Ttieu9Vu3QIJ )、ANSI C の議論中に認識不足でうっかり入ってしまったものだとのことで、次に示す資料などは関係ない模様である。http://www.mail-archive.com/leapsecs@leapsecond.com/msg00306.html によれば、議論の過程では複数秒のうるう秒がありうるような表現があったらしい。

影響は十分に小さい(えいきょうはじゅうぶんにちいさい)

TRON関係において、後方互換性が保たれるはずになっていたことがらについて、(理念上)それを断ち切るような変更をおこなう際の魔法の呪文ないし伝家の宝刀。B-right/V付属の基本文章編集に強制改行(0x0d)が実装される際、TADの行頭移動指定付箋の効果が及ぶ範囲が改行で打ちきられるか否か、という仕様の変更の際に発動した。また、その際に、後方互換性については、仕様が「過去に遡って修正」されることで維持された。

エクステント

プログラムの変数について、しばしばスコープと混同されるが、スコープとは違い、変数の値が保存される期間のことで、クロージャなどがあれば参照されている限り延長される。まだ定訳がないのが混同される理由かもしれない。「寿命」などとも言うが、スコープとエクステントをそれぞれ「可視範囲」「生存期間」とするのはどうか?

絵師(えし)

古くは(正しくは?)浮世絵の製作過程における分業制で、下絵の担当者。下絵師。

現代では、イラスト担当者、のこと。もともとはエロゲ業界ないし同人業界の業界用語だったように思うのでエロゲないし同人の話題以外では私は使うのを控えてるんだけど、なんか最近フツーに使われてるなぁ。

エスペラント

ザメンホフの考案になる国際補助語。2010年7月現在のウィキペディアでは「人工言語」となっているが、少なくとも自然言語処理の分野などでは自然言語に分類している、はず(その場合、人工言語というのはだいたい形式言語のことを指す、のかな)。誰かウィキペディアで出典にできそうな文献をご存じでしたらお教えください。

EDLIN (えどりん)

MS-DOS に付いていたラインエディタ。

なぜか 2 度も、バグがあるという話が NHK のニュースになっている、という妙な過去がある。1 度目は 1986 年の春頃のことらしく『パソコンマニアは海へ行こう』( 1986 年 7 月発行)という本の 19 ページから 22 ページのあたりに書いてあるのだが、2 バイト文字が置換できないとかそんなバグについて。1991 年にもニュースになったことがあって、古川さんがブログに書いている → http://furukawablog.spaces.live.com/Blog/cns!156823E649BD3714!4177.entry

FTT(えふてぃーてぃー)

アプリックス(Aplix)のJava高速化技術。FTT、KFTT、FTT3とある(FTT2は不明)。KFTTは日本国特許第3472775号 http://www.j-tokkyo.com/2003/G06F/JP2003-202993.shtml

MS変換(えむえすへんかん)

MMJFS(えむえむじぇいえふえす)

Globus Toolkit 3 および 4 の、ジョブを起動するためのサービスの名前で、Master Managed Job Factory Service の略。

GT5 ではXMLウェブサービス(SOAP)がオミットされるとのことで、シンプルにゲートキーパーによるジョブの起動に戻るのだろうか。

なんでもかんでもイニシャルに略すというのは、NASA の文化かなぁという気もする。

MBTI(えむびーてぃーあい)

Myers-Briggs Type Indicator。平均故障間隔ではない(それは MTBF (Mean Time Between Failures))。日本語版ウィキペディア( wikipedia:MBTI )には今のところ非常に簡単な記述しかないので詳細は英語版( en:wikipedia:Myers-Briggs Type Indicator )を、という感じ。

という感じで日本ではいまいちマイナーっぽいのだが、欧米では、たとえば Hacker's Dictionary の Appendix B. A Portrait of J. Random Hacker の Personality Characteristics の項(最後の段落)にさらっと書かれるくらい一般的である。

自分が 16 のうちどの型にあてはまるかは、一種のプライバシーである。公開するのは個人の自由であるが。

Hacker's Dictionary でハッカーの一般的傾向が述べられているように、ある仕事に対する向き不向きと関連が見出せるものであり、また自分の状態を把握するためにも、自分の型を知っておくとなにかと役に立つ。

日本で刊行された本には以下がある(一部編者未読)

エンタープライズサーバ

空母エンタープライズ、あるいはスタートレックの USS エンタープライズのサーバのこと。

OHP(おーえいちぴー)

AWK(おーく)

「sed, awk して船 山に上る」は、JUS研究会第23回 (1988年6月22日) の熊谷典大さんの発表のタイトル(参考 http://www.jus.or.jp/kenkyukai/kansai/list1-99.txt )。

「AWK は書かねぇ、たった一行」は、大岡噺のサゲ(「多かぁ(おおおか、とも聞こえるように発声される)食わねぇ、たった一膳(えちぜん)」)のパロディ。これも 80 年代から言われているらしい。

小田嶋 隆(おだじま たかし)

日経ビジネスの連載コラムが、最近IT界隈で物議を醸すの話題になることも増えているように思うが、パソコン黎明期からいろいろ面白いことを書いている。『我が心はICにあらず』は古本屋で見かけたら是非捕獲したい本のひとつだ。

オフラインミーティング

オンラインミーティング、に対して使われるようになった言葉、なのか? 帰宅しましたと書き込むまでがオフラインミーティング(学校の遠足などでいう「家に帰るまでが遠足」などから転じて)、という言葉もある(あった?)。オフ会と略すのはあまり好きではない。

アマチュア無線家のジャーゴンでは、直接会うことを「アイボール(目玉のこと)コンタクト(略してアイボール)」、無線で会話することを「お空で会いましょう」と言ったりする。

オライリー

(ネタ元 http://twitter.com/takahashim/status/85998218424492032

生物(主に動物)柄の、Tシャツを主とする衣類や布バッグなどを作っているブランド。コンピュータ書籍出版部門も持っている。

音質重視設計(おんしつじゅうしせっけい)

オーディオ機器の広告やカタログで使われる謎の言葉。いやしくもオーディオ機器であるからにはたとえばラジオの狭帯域フィルタ(選択度が向上するかわりに、音声の品位は落ちる)のような音質を犠牲にした設計をするわけが普通はないわけで、具体的にどんな設計のことなのかはよくわからない。じゃあ「音質重視実装」とか「音質軽視設計」があるのか、とか、わざわざ音質重視とうたうからには他の何かとの(コスト? 使い勝手?)トレードオフとも考えられるがやはりよくわからない。

温度(おんど)

こんな小話がある。

先生「太陽の表面の温度はおよそ 6000 度である」
生徒「先生、それは摂氏ですか絶対温度ですか?」
先生はちょっと考え...
先生「どちらでもいいのではないかね?」

(なお、1967年以後は絶対温度には「度」を付けないことになっている)

また、同じような話に、博物館の案内係の説明、というものがある(「この展示はどれくらい古いものかね?」「はい、1001 年と 3 箇月です。1 年 3 箇月まえに先生に聞いた時、1000 年とおっしゃっておられました」)

オンライン

「オンライン」と言った場合、元の語義としては「線上に」なわけだが、だいたい「計算機内で」と「ネットで」の 2 つの意味がある。例えば前者の例にオンラインマニュアル(紙媒体のマニュアルに対して)やオンラインヘルプ(計算機を利用しながらその場で参照できるヘルプ)があり、たとえスタンドアロンの計算機環境でもこれらにはオンラインの語が使われる。ということがわかってなかったので、その昔 Quick C のマニュアルに「オンラインヘルプを参照」とかあって、ネット環境(まだ当時 IP の普及以前だけど)がないのにどうしろと、とか思った。

オンライン戦争(おんらいん-せんそう)

日本における銀行のオンライン化は、類例の少ない大規模なトランザクションシステムの開発だった。その開発のさまを戦争にたとえて、またシステムのリプレースにともない第n次オンライン戦争、のようにも言われる。

回線問屋(かいせんどんや)

廻船問屋(wikipedia:船問屋)のもじりで、回線まわりの、特にネットワークの上流側の業者のことを指す、冗談半分の語。

仮想記憶(かそうきおく)

英 virtual memory の定訳であり、以後、virtual の訳として「仮想」を当てることが一般的になってしまったのもこの語からだが、本来の意味としては、アプリケーションプログラムは実メモリにアクセスするのと全く変わらずに動作することができる、といったような意味なので日本語の「仮想」とは少しズレがある。某外資系の大メーカーの日本法人の中の人が「そのように訳してしまったのはうちらですごめんなさい」と言っていたりするが、論文等に先例があるのではないかと編者は睨んでいる。

金物(かなもの)

  1. 金属でできたもの。特に日用雑貨など。金属製の日用雑貨や工具などを中心に扱う雑貨屋を金物屋と言ったりする
  2. 日本のコンピュータ技術者のジャーゴンで、ハードウェアのこと。http://d.hatena.ne.jp/leque/20090326/p1 にあるように、英語でもコンピュータのハードウェアに近い層を指して close to the metal という表現を使うことがあるようで、元々そのような文を訳したりしているうちに使われるようになったのかもしれない

ガンガン

ラジオなどを大きな音で鳴らしてる様子を形容する擬音というより擬態語。あるいは、十分な信号レベルで電波を受信できてることの形容にも使う。入力オーバーで音が割れるあたりから来ている形容か?

関西オープンフォーラム(かんさいおーぷんふぉーらむ)

元々は「関西オープンソース+フリーウェア」で K O F だった。

規格(きかく)

訳だと standard の訳だったりもするけど、標準じゃなくても規定があれば規格、かな。specification は仕様とも訳されるか。

余談だが Haskell のトップページ www.haskell.org から言語仕様へのリンクは Language definition なので spec とか standard をさがすとはまる。← というのは昔の話。今は Language specification というリンクになっている。

基本文書編集(きほんぶんしょへんしゅう)

「基本文章編集」が正しい(時々PMCですら間違える)。

教具(きょうぐ)

「教材」としばしば混同されるが、編者がとある人から聞いた次の言明が簡にして要を得ている「黒板とチョークは教具であるが、教材ではない」

ぐぐれ浜松(ぐぐれはままつ)

浜松の駅前にあった IT コミュニケーションスペース。http://web-cci.jp/ggl/ http://ggl.hamazo.tv/

ここの勉強会用スペースでおこなわれた、静岡 Developpers 勉強会の第 8 回 Haskell 勉強会は伝説の回となった。この http://d.hatena.ne.jp/ushiday/20100831/1283212992 へん参照。

名前は「ググれ」からか?

隣の WEB-CCI は現在もあるが、ぐぐれ浜松があった場所は現在は鶏ちゃん(けいちゃん、と読むらしい)という焼き鳥屋になっている。

クレジット

SF ではおなじみの未来の通貨単位。宇宙時代の未来なのにドルとかだったりするのはどーよ、といったわけでしばしば使われる。昔は「信用単位」等と訳されたりすることもあったそうだが(編者は実例を読んだことがないか、覚えてない)、昨今ではカタカナでそのまま「クレジット」とするのが普通。略記 Cr 。

クローズドループデュアルキャプスタン

CLDC と略す。高級カセットテープレコーダデッキの代名詞(的スペックのひとつ)。カセットデッキに限らずテープレコーダというものは、ヘッドと巻取側リールとの間で、テープを定回転するキャプスタンとゴム製のピンチローラではさんでひっぱることで安定したテープ送りを実現しているわけだが、更に送出側リールとの間にもキャプスタンとピンチローラを入れて、テンションを安定させ、ヘッドへの接触を一定にしよう、というもの。確かウォークマンの最高級モデルでも採用したものがあったと思うが効用はどうだったのか。

黒本(くろほん)

計算機(けいさんき)

大学などのコンピュータサイエンスをやるところでは、コンピュータのことを計算機と呼ぶ慣習が根強くある。アンサイクロペディアの「電気通信大学」によれば、電通大では全学的にそうらしい ← あれ? これ消えたかな。また、そういったところでは電卓や手回し計算機などを「計算『器』」と表記して区別するが(なお、商標および会社名では「タイガー計算器」が計算器の語を使っている)、口語的には区別できない。

文系の人や分野では、「電算」の語をよく使うような気がする。もはやどうでもいい区別だが、チャールズ・バベッジの機械などは「電算」ではない。

言海(げんかい)

ちくま学芸文庫が、製本所の牧製本印刷(株)が製本可能な文庫本の厚さの限界に挑戦するために覆刻を企画した辞書。

コア

単にコアと言えば計算機業界ではこのあいだまでコアダンプのことだったような気がするが(さらにその語源はコアメモリ)、いつのころからかプロセッサコアのことを指すようになったような。

誤植(ごしょく)

世間的にはゲーメストの数々の誤植が有名だが、ベーマガでもまた、そう多くはないもののさまざまな誤植はネタとなった。また、ベーマガはプログラムリストの誤植という初級者向けプログラミング情報としては致命的(初級者が自力で誤植を判断するのは困難)な事故を回避するために、パソコンのプリンタからのリスティング出力をそのまま写真製版するという豪快な解決法をとっていた、というのは特筆事項ではないかと編者は思う。

以下、編者の思い出に残る誤植をいくつか。

「ダトル・オブ・ぷよぷよ」これは非常に有名なので本名吉野氏の総合事典にも載っている → http://www.north-wind.ne.jp/~yoshino/sougou/c/puyopuyo.html#dop

「トラップ(フナ)だよ」ORG の TRPG コーナーにて発生した誤植。後日、落とし穴の底の水溜りに棲む殺人鮒に食われかかるキャラクター達、という「トラップは鮒だった」と題したイラストが掲載されたりしていた。

コスプレ

NHK の電波に「コスチュームプレイ」という語がはじめてのったのは、おそらく、1994 年 4 月、NHK-FM のサウンド夢工房「愛と青春のサンバイマン」(藤井青銅原作脚本)で、かっぱらわれたセルをアニメマニアのじじいから取り戻そうとするくだりである(もっと古い例をご記憶のかたもしおられましたら連絡ください)

作例(さくれい)

(1) 写真業界用語。こういう機材ならこんな写真がとれまっせ、という商品見本のようなものなわけで、機材や撮影諸元などの情報が基本的に必須。逆に「作品」はレイアウトされタイトルと必要ならキャプションが付けられる。

(2) 模型用語。キットを組み立て・仕上げた一例、のような意味。だいたい「作品」と同義だが、ほぼそのまま組んだだけ、という、「作品」的な気合いが入ってなくても作例ではある。

さらにもうひとつの

yaccなどの「Yet Another」の直訳的表現。単に「もうひとつの」でいいじゃん、という声もある[誰?]。

JCN(じぇーしーえぬ)

『2001 年宇宙の旅』の HAL が IBM を一個ずらしたものというのは有名だが、逆にずらすと JCN という、ちょっと日本のコンピュータ会社にありそうな名前になる。岡嶋二人が『コンピュータの熱い罠』で使っていた。

シグネチャ

署名のこと

  1. 計算機科学では、データなどの特徴を示すハッシュ値などをシグネチャと呼ぶことがある
  2. メールなどのメッセージの最後に付ける署名(以下で詳述)

メールなどのメッセージの最後に、筆者の名前や所属、さらに標語や引用や文字絵などを記したもの。名前だけとか、名前の一文字だけとかいう人もいる。

「シグネチャは3行以内」という発祥不明のネチケットがある。

(執筆中。確か書籍版「fjの歩き方」の中に、小学校の遠足じゃあるまいし、てな感じのコメント付きで言及があったような気がするんだが)

辞書(じしょ)

この辞書は私的な記録のためのものなのでアレだが、まじめに編集されてる辞書でもたまにちらっと見える編集者の趣味が興味深い。たとえばエリック・レイモンドさん編集の The Jargon File の religious issues ( http://catb.org/jargon/html/R/religious-issues.html )すなわち「ケンカになって当然の話題」には“What about that Heinlein guy, eh?”(あのハインラインかぶれ野郎ってどうよ?)とあり、一方、rathole ( http://catb.org/jargon/html/R/rathole.html )、同じようなものではあるけど基本的には時間のムダ、の正準例として open-source licensing とあるのは、普段の政治的主張やオープンソースの煽動者ということとあわせて考えると意味深だと私は思う。

他に日本の例だとたとえば、三省堂の辞典に「三省堂国語辞典」と「新明解」と両方あるけど比べると面白いよね、とか(高校の国語辞典で三省堂の辞典を選ぶのは教科書と同じ出版社というのはわかるけど、なぜ癖がある新明解のほうが選ばれるんだろうな)。

ジャギ消し(じゃぎ-けし)

  1. ジャギ[*]の消しゴム
  2. ジャギ[*]を消すこと

[*] 漫画『北斗の拳』の登場人物

常駐パレット(じょうちゅうぱれっと)

PC-98 はかなり後期のモデルになるまで(MULTi, MATE, FELLOW 以降か?)パレット設定レジスタは書き込みのみ可能で、設定値の読み出しができなかった。そのため、現在の VRAM をバッファとして、たとえば、今表示している画像の輝度を半分におとす、というプログラムを作ることがそのままでは不可能だった。これを解決するために、メモリに常駐エリアを確保し、パレットを設定する時にはそこにも設定値を書き込んでおくことで、ツール間の連携を図った。これが常駐パレットである。詳しい仕様とか提唱者とかご存じの方はお知らせください。

情報化社会(じょうほうかしゃかい)

「情報内容を的確にとらえ利用する者が社会的に優位を占め、そうでない者は他におくれを取るしくみの社会」(新明解国語辞典 第二版)

「情報に価格がつき、やりとりされる時代」(「大変な時代」堺屋太一)

ジョージ・イーストマン

あのイーストマン・コダックの創業者でロールフィルムの発明者であり、写真を大衆に広めた功労者の一人だが、カレンダーの簡素化(曜日と月日の固定など)に取り組んだパイオニアのひとりでもあることはあまり知られていない。2010 年 3 月現在英語版 Wikipedia にもない。http://www.lib.rochester.edu/index.cfm?PAGE=3490 (In the 1920's で始まるパラグラフ)や Wikipedia の International Fixed Calendar の項からは言及がある。

白箱(しろはこ)

X68k 用語。Windows で言うブルースクリーンに近いもの……だと思ってたのだが、「白帯」の記憶違いだったような気も

白本(しろほん)

スターシップライブラリ

フルネームは「スタジオぬえのスターシップライブラリィ」だったかな。早川の S-F マガジンに連載された、かのスタジオぬえのイラストレータ&メカデザイナによる、SF における宇宙船あれこれ。序盤でいきなり「宇宙戦艦ヤマト」は SF ではない、とかかましてみたり、ぬえがデザインするメカがいかにガチガチか、という件について複数回にわたり紙面の半分近くを費して痴話喧嘩ならぬ内輪喧嘩を紙面でやらかしたり、やりたい放題である。出てくる宇宙機のアイディアも、「SF 的な超越科学を仮定しない」としているものだからばかでかい推進剤タンクと放熱板が付いていたり(物理的に、エネルギー源は対消滅ですということにすればなんとかなるが、運動量保存則や熱力学の基本法則はどうにもならない)、巨大な軽石の中のどこかにブリッジがあります(ブリッジを外から狙って破壊するのは至難)だとか、すごい相対速度なんだから巨大な網を広げればひっかかっただけで運動エネルギーから考えて破壊できる、だとか、夢も希望もないリアルなものばかりである。後半の宮武一貴さんによる宇宙戦艦篇を中心に(なのかなぁ。実は雑誌連載版を通して読んだことがないので比較できない)、『スタジオぬえメカニックデザインブック Part.2 宇宙戦艦編』の後半に収録されている。

ステートメント

普通のプログラミング言語の文脈では「文」と訳すが、英語の意味としては言明とか叙述といった意味があり、意味論(特に公理的意味論)ではそちらの意味で statement と言ったりする。

TA をやった際の個人的知見だが、C 言語の a = 3; という文を、プログラミングの初学者は「ここで a に 3 を代入する」ではなく「a を 3 と定義する」といったように解釈しやすいようだ( Haskell の a = 3 ならそれで正しいわけであるが)。

政治層(せいじそう)

人間(複数)の意思により決定がなされるレイヤ。ISO7層モデルなどの上や横(?)などに広がる架空の層として冗談半分にその存在が扱われたりすることがある。

聖地(せいち)

五反田の電波ビルとか代々木のぜんらくビルとか。

あと東芝ダイナブックのユーザーには(おでん缶のほうが有名な)チチブデンキとか。

千里眼(せんりがん)

遠く離れた場所の現象が見えるという超能力ないし神通力のことだが、90 年代後半にあったごく初期の全文検索型サーチエンジンの名前として当時の一部ネットユーザには記憶されている。

リクエストが殺到して重くなると(知られるようになるとすぐにそういう状態が常態になった)、load average の(たぶん uptime コマンドなどで表示される 1 5 15 分の)数字 3 つだけが書かれたテキストを返す、という仕様があり、そんなようなユーザインタフェースに対し「千里眼かよ」と言われたりする。とある同人コピー誌にベーマガの某先生との対談であれこれ書かれてるんだけど...

それはttyドライバのせいなんだよ。(それはてぃーてぃーわいどらいばのせいなんだよ)

蛯原純氏のシグネチャに見られる言葉。かれこれ20年近く使われ続けている。時々、Unixのライン(行、という意味にも取れるが、回線の意)ディシプリンのふるまいなどのことを指していると思われているのを見かけることがある(たとえば初心者をまどわすUNIX 7不思議に「UNIX の端末の世界は奥が深すぎてとても 7 つどころでは語りつくすことができない (それは tty ドライバのせいなんだよ)。」とある)。しかし、本人によれば、

ttyドライバつーのはコンピュータが外部と接触するためのプログラムの一部
の名でこの場合はFM77AVのOS-9Level2のTTYドライバの性能が悪くて9600bpsも
まともに通信できないことがあらゆる混沌と混乱の原因だそうだジムモリソンも
進める所まで状況を進めてみて何が起こるか見てみたいといっていたじゃないか
と1990年頃思ったことがあってちょうどそのときインターネットのメールとか
ニュースとか使い始めて最後の署名部分に使い始めたのがはじまりです。

とのことである。

ダイヤル

(動詞) 電話機などの電話回線の端末に電話番号を入力すること。もともと、パルス式電話交換機のためのパルス信号を、ばね仕掛けの回転式のパルスを発生させるメカニズムにより発生させていたことに由来する(という注がそろそろ必要であろう)。

端末室(たんまつしつ)

コンピュータなどの端末がある部屋のこと。大学では TSS 時代には、コンピュータ関係の実習や演習をやる、端末専用機が並んだ部屋だったわけだが、近年の PC 化により、PC 教室などと名前を変えているため、古参の教授などがうっかり「端末室」と言うと学生が ??? となることがある。

農工大の S 科棟の端末室は、計算機室(現在は事実上サーバ室)の直下に置かれ、計算機室の床と端末室の天井をぶち抜いて、100 本程度のシリアルケーブルを通すことができる特大のダクトが建物の設計段階から設置されており、先を見越した設計として学科の自慢、であったのだが、LAN 化によってケーブル一本で済んでしまうようになることは見通せなかった、と教官談。

が、その後、帯域幅を確保するために、LAN ケーブルをサーバ室のスイッチから直接複数本引っ張るようになり、活用されている模様。万事、塞翁が馬。

余段だが、大型機の TSS を運用していた時代に、建物の外からでも TSS の運用状況がわかるようにしていた掲示の残骸が 2000 年頃まで残っていた。

でかい兄弟(でかいきょうだい)

岩波新書『コンピュータと社会主義』(まじめな書評は水城さんによるこちら http://www2a.biglobe.ne.jp/~mizuki/book/review/bk050313.htm#COMPUTER を参照のこと)で、コンピュータを利用した全体主義的支配の可能性について言及しているところで、オーウェルの『1984年』のビッグブラザーのことをこう訳している。

テクノウシリーズ

出版元が複数社にわたっているため、そもそも関連のあるシリーズであるのかもよくわからないのだが、8ビット機時代の中期ないし16ビット機初期の頃、主に NEC 機を中心に PC-Technow(型番) というようなタイトルで出版された、単なる技術情報にとどまらずノウハウを伝えることに力点を置いた名著。以下が出版された(抜けがあったら教えてください)。

テストパターン

http://www.dnp.co.jp/works/fine/product1_01.html

でてこいでてこいいけのこい

(このような例文としての出典忘却。ネタ元は文部省唱歌)何も考えずに文字列置換をおこなうと、意図した結果からどんどん外れてしまって元に戻らなくなる文字列の例。「でていけでていけ……」にしようと s/こい/いけ/g とすると「でていけでていけいけのいけ」になってしまい、あわてて元に戻そうと s/いけ/こい/g とすると「でてこいでてこいこいのこい」となってしまう。こうなってしまうと元に戻せない。

デリファレンス

http://www.oki-osk.jp/esc/ruby/tut.html#dereference から引用

ちなみに「デリファレンス」dereference の接頭辞 de- は,この語では下降ないし強意を表します。 reference 「参照」に対して dereference は参照先に到達すべく「参照する」「参照し下す」ことを意味します。従来の技術用語でいえば「間接参照」という言葉が該当します。あえて新語を作るならば「参照解決」が妥当かもしれません。最近,あちこちで「逆参照」「参照はがし」等の訳語を見かけますが,これらは接頭辞の他の意味から言語感覚を欠いて作り出された誤訳といってよいでしょう。

同人(どうじん)

「東京化学同人」は、単に出版社の名前。理工系の大学生ならたぶん一冊以上はこの会社の教科書を買うことになる。

(クイズ) アンサイクロペディア日本語版の「コミックマーケット#著名なサークル」にある同人のうち、冗談から駒というか、(主なメンバー等サークルの解説はともかくとして)現在ふつうにコミケにサークル参加している同人を答えよ(SF者以外で即答できたら10点←ヒント)。

トラクターアプリケーション

一般に「キラーアプリケーション」と呼ばれるもののことだが、確かジャン=ルイ・ガセー氏が Be のアプリケーションについて語る時に「キラーアプリケーション」という言葉を好きでないという理由で使ってた、と思う。ソースは BeBox 本だったか。

入力促進記号(にゅうりょくそくしんきごう)

「プロンプト」(誌名ではない)の日本語(というか漢語的)表現。BASIC の OK とか ? とか。余談だが、日本人で、CUI に不慣れな者が「プロンプト」の語を口にした場合、90%(当社比)の確率で、CUI 自体のことか、テキストターミナル(ターミナルエミュレータ)のことか、コマンドラインシェルのことを指している。本当に「入力促進記号」について言及しようとしていることはまずない。

特にMicrosoftが、95系WindowsではCOMMAND.COMに、NT系ではCMD.EXEに「コマンド プロンプト」と意味不明なタイトルを付けていることが混乱を助長している。

熱暴走(ねつぼうそう)

ノイマン型(のいまんがた)

ノイマン型の「コードもデータとして扱う」という発想は、(万能)チューリングマシンからの影響、とみるのがだいたいの定説だが、近山先生によれば( Shibuya.lispテクニカルトーク第4回にて http://www.youtube.com/watch?v=o_1MSSRhCe0 )、完全性の証明に挑んでいた(ゲーデルによって不完全性が証明された、あの完全性)ノイマンのことであるからして、チューリング経由ではなく、直接、ゲーデル数からの影響ではないか、とも考えられる、との由。

パラグラフ

日立語(ひたちご)

ビジネスメイルにおける独特の言い回しが日立語といえば有名であるが、他にも「モーター」を「モートル」(これは他に三菱系等でも見かける?)と呼ぶ。日立の系列店は「チェーンストール」であるからして、SHプロセッサのアーキテクチャは「ロード・アンド・ストール・アーキテクチャ」なのではないかという疑惑があるわけだが、パイプラインのストールを連想させるためというわけではないだろうがそのようには言っていない。

bit(びっと)

bit悪魔の辞典(びっとあくまのじてん)

コンピュータサイエンス誌bitの名物コラム。辞典のスタイルで計算機学界や計算機業界を時に辛辣に時にユーモラスに評した。なお、休刊号で辞典子が主張したところによれば、bit誌が当コラムのおまけなのだそうである。

標準(ひょうじゅん)

standard

タネンバウム曰く「The nice thing about standards is that you have so many to choose from.」

「規格」とごっちゃになることもあるけど、規格になってなくても標準であれば標準。デファクトスタンダードとかだと特に。

ヒルズに恋して(ひるずにこいして)

ライブドアによるニッポン放送買収騒動の余波で「恋におちたら」と改題し放映されたドラマ。その第一話における「IT業界」に対する世間の認識っぷり(なんというか、まぁ、その、いわゆる「スーパーハカー」ですな)が業界の話題になったりしたが(にぽたん氏によるドラマに見る「緊急対応」に対する一般的イメージを参照されたい。なお、その後のライブドア事件の時点における地検のレベルがいかなるものだったかも後に暴露された)、実は本物のスーパーハッカーがエキストラ出演している

ふえろ! わかめちゃん作戦です^[$(C⊇(ふえろ わかめちゃんさくせんです んがんぐ)

akrこと田中哲氏のシグネチャに見られた言葉(「んがんぐ」は編者)。桂遊生丸「Little Worker」からの引用だが、ISO-2022-JP2で「ふえろ! わかめちゃん作戦です♡」と書かれている。KS X 1001の2区29点。

複素平面(ふくそへいめん)

複素数を、平面上の点とみて、複素数の集合からなる平面。高校数学では課程が変わるごとに現れたり消えたりしている。いわゆる「ゆとり政策」で消えたのだが、その前の前の課程でも消えていた(ので編者の高校の時の教科書にはない)。古い本を読むとやはり高校で教えないことになっただのどうのという話があるので、これが現れたり消えたりするのは日本の数学教育の伝統らしい。

複素平面が出てこなければ極座標表現などがばっさり削られるわけで、なんのために複素数を勉強するんだかわけがわからないわけだが(2次方程式の解、ぐらいか?)関係者は何を考えているんだろうか。

(なお、新しい教育課程で複素平面が復活し、行列が無くなる、という話があり、前者による利点とは比べ物にならないほど後者はまずい、ということなので、もしこの問題が気になるという方は、まずはそちらに注意・注力されたい)

フラグ

id:metanest:20070510#flag から転載加筆)

「フラゲ」(「フライング・ゲット」の略)とは全く関係ない。

コンピュータ用語からゲームを通してオタ一般に使われるようになった語。

コンピュータ用語としては、許可のありなし、事象の発生などの1ビットの情報を保持するパラメータのこと。

例えばプロセッサには、計算結果がゼロになったことを示すゼロフラグなどのフラグがある。

プログラムにおいては、何かが起きたことをフラグ変数で覚えておき、あとでそれを参照して挙動を変更する、というような使い方をする。

フラグの操作を表す動詞は「セット」に対し「リセット」「アンセット」が使われる。日本語では「立つ」「立てる」がよく使われ、反対語は「降りる」「降ろす」。他に「倒す」「寝かす」も稀に。他に「上げる」に対して「下げる」「落とす」等。他に、現在の状態と逆にする、という意味の「トグルする」がある。なおトグルについては http://white.s151.xrea.com/wiki/index.php?diary/2007-01-27/トグルとは も参照。

このフラグから派生して、ゲームで新しい展開に入ることなどが確定することに対して「フラグが立つ」を使う。わかりやすい変化や、何らかのイベントがともなうのが常ではあるが、「立つ」のはあくまでも「何かが確定したとき」であることに注意。なお、プレイヤーの能動的な行為の直接の結果としてフラグが立つ場合は「フラグを立てる」と表現する。

さらにゲーム以外でもシナリオに対して、たとえば keyword:死亡フラグ のように利用される。

また、シナリオについて「フラグ」という言葉を使う場合、そのフラグに紐付けられたイベントなど(が起きる|を起こす)ことに対し「回収」という語が使われる(プログラムの処理としては、単発型のイベントであればそのフラグをリセットし、場合によっては要らなくなり、GC のある処理系でフラグがオブジェクトであればガベージコレクターに「回収」されるであろう)。これの由来としては、アドベンチャーゲームなどで既に見たシーンなどは一覧形式で見ることができるものがあったりするが、それに新しいシーンを拾って追加するような感じであるから「回収」という語が使われるわけであるが、そのあたりからの流用と思われる。

フレーム問題(ふれーむもんだい)

フレーム問題の例として、ダニエル・デネットの示した、爆弾の付いたバッテリーから、爆弾を取り外してバッテリーを運び出す、という判断ができるロボットは可能だろうか、という思考実験について話していたところ、「そんなのはだな、『はわわー』と言ってればいいんだ」と喝破された先輩がいた。(注: 正確には「はわわわっ!」だったそーである。https://twitter.com/wtnbgo/status/466075089574711296

ぺりーろー団(ぺりいろうだん)

世界を大いに盛り上げるために毎月 2 巻の勢いでスペオペを刊行する団。

弁語士(べんごし、language lawyer)

ジャーゴンファイルによれば「プログラミング言語の 200 ページもあるマニュアルのバラバラな 5 箇所を示して、『これらを見るだけでよかったのに』と答えてくる」ようなスキルのあるプログラマのこと。「弁語士」という訳は http://www.python.jp/doc/2.5/ などに見られる。『エキスパート C プログラミング』の最初のあたりにも言及が見られ、同書の日本語訳では訳者の他、C 言語の「弁語士」レベルの査読者によるツッコミが随所に入っている。

たまにプログラマが「私のできる言語は○×ぐらいですから」と言った時、このレベルの意味で「できる」と言っている人もいたりするので要注意、かもしれない。

某国営放送(ぼうこくえいほうそう)

日本放送協会のこと。元々は電波三法を承知しているような(NHKは特殊法人による公共放送である)人々の間での、その御用放送的体質に対する皮肉を含んだスラングだったんじゃないかと思うわけだが、一般に膾炙した結果(若年層への普及は「ジャンプ放送局」あたりによるんじゃないかという気がするがジャンプ読者ではなかったので確信はない)、ほんとうに国営だと思い込む誤解の普及に貢献した。

左翼がかった番組も増えたせいか、あまり聞かなくなった語。

また、NHK は、よく BBC と比較されるが、BBC もまた国営ではなく(国庫からの支出を受けてはいるが)「国王の特許状に基づく公共事業体」で、高度の自立性を持っている放送局であり、簡単には比較にならない。

放送用(ほうそうよう)

「業務用」より一桁上の価格設定を正当化する錦の御旗。もちろん放送というのはトラブルで止まりでもしたら始末書がどんだけ書かれることになるのかわからん、というような世界なので、そういう要求にこたえられる品質があるということではある。

ホッチキス機関銃(ほっちきすきかんじゅう)

ホッチキスの針が「コココココ」と飛んでくる機関銃。

保留音(ほりゅうおん)

電話の保留音の電子オルゴールで、グリーンスリーブスがえらいシェアがあるように思うんだけどこれはなぜだろうか。私の考えている仮説に、公社時代の機材がそれを使ってたからじゃなかろうかとか。あとグリーンスリーブスというと「電子立国」に出てきた半導体工場の無人搬送車の走行時警報チャイム音がそれで。

本多のオヤジ(ほんだのおやじ)

エンジニアが「本のオヤジ」と言ったら、本田技研工業の本田社長のことであるが、秋葉原のコの業界で「本のオヤジ」と言ったら、日本のUnixの現場について語る際には外せない名ショップ「ぷらっとホーム」の本多社長のことである。

鮪(まぐろ)

http://metanest.jp/mag/mag.xhtml

BSD の tunefs コマンドのマニュアルの BUGS セクションには、"You can tune a file system, but you can't tune a fish." というジョークがある。『ハッカーズ大辞典』の「ファイルシステムは調整できるが、マグロは調製できない」というのが妙訳。

あの BitMover の Larry McVoy 氏が、LKML にて「それを書いたのは 99.9% Kirk McKusick だ」とか「SunOS で Take this out and a Unix Demon will dog your steps from now until the time_t's wrap around. ってコメントを追加して書き戻したのは俺だぜ」って言っているメイルにリンクしておく → http://www.mail-archive.com/linux-kernel@vger.kernel.org/msg39720.html

増田義孝(ますだよしたか)

静岡の音楽家。電子音楽の作曲やキーボードの演奏が多い。SBS 静岡放送で使用される曲を多数作曲演奏。

マッキントッシュ

I/O 1993年 9月号、連載コラム「矢野徹の電脳酒場」より ―― 「マッキントッシュ」という名前を聞くたびに,ぼくの頭にすぐ浮かぶのは,コンピュータとアイルランドの男だ.(改段落)「マッキントッシュの男」というのをだいぶ前に翻訳したせいだろう.(以下略)

マルチインデックスホール

5.25インチのフロッピーディスクのインデックスホール(読み書きのタイミング合わせのために開いている穴)を複数個開けてしまえ、というアイディア。実際に使われたことはないようだが、コピープロテクト用に検討したことがある、と、とある番組である人物が言っていた。

緑本(みどりほん)

みゅあっぷ98(みゅあっぷきゅうはち)

同人「ぱっくんソフト」の PC-98x1 用 FM 音源統合環境ソフト。「利益をあまり目的としない商用ソフトウェア」だったかな。スピークボードとか音美ちゃんに対応。サウンドオーケストラ対応版もあった。

エディタの置換機能が、改行を処理対象にできたので、その必要がある時に重宝した。

サンプルデータ「Super君が代」とか(総集編 CD-ROM に音声トラックがあってそこに収録されている)。

〜未来を語る(みらいをかたる)

『ビル・ゲイツ 未来を語る』から派生して、コンピュータ分野のヴィジョナリー的な文章に対し付けられる愛称。「ポール・グレアム未来を語る」とか(ref: http://d.hatena.ne.jp/ogijun/20050128/p2 )。なお、アラン・ケイの書いたものなど、より先達のほうについてこう言うのは憚られる。

目線(めせん)

もともとは、人物写真などについて使われる、「視線」よりもかなり即物的な(すなわち、目玉が向いていることのみを示すような)用語だったと思うわけだが、いつのまにやら視線と同じような意味で一般に頻用されるようになった気がする。

モータリゼーション

mohta 化すること。

森(もり)

PC-98[02]1のアニメ処理の速度単位。森x枚(16色)、森x匹(256色)と表現する。動画ソフトMASLおよびM-MASLのベンチマークデータ「森ベンチ」「ふえる森ベンチ」より。

ヤマト

我ながらひどいというか傑作というか、と思っているバルバス・バウ( wikipedia:バルバス・バウ)についての説明のイントロ「宇宙戦艦ヤマトって、船首の下がこうなってるでしょ。あれ宇宙戦艦だからああなってるんじゃなくて、水上艦の戦艦大和がああなってるんだけど」(なお、あれはソナーを装備するためにああなってる、という説明は微妙に間違ってないので困る。ソナーをあそこに備えている艦は普通にあるので)。

有害とみなされる(ゆうがいとみなされる)

Go To Statement Considered Harmfulなどの「Considered Harmful」の直訳的表現。意訳的には「有害論」「有害説」等。

有線(ゆうせん)

純粋に技術的には、無線(radio)でないこと、電線や光ケーブルによる通信やエネルギーの伝送のことである。が、ジャーゴンとしてはいろいろある。

Unix なら分かるわ(ゆにっくすならわかるわ)

映画『ジュラシック・パーク』(1作目)で、少女がそう言ってコンピュータを操作するのだが、激しく GUI バリバリな画面で、「Unix と言えば黒白の端末(含エミュレータ)」で操作、という世間の固定観念から激しく外れていたため多くの人がずっこけた。しかし、実は SGI マシンで開発された実在する fsn という GUI ファイルマネージャを操作しているのである。(参考 http://madeira.cc.hokudai.ac.jp/RD/take/sgi/fsw/fsn/index.html

UNIX もがき(ゆにっくすもがき)

ちゃんと保護もあってマルチプロセスの「UNIX もどき」環境に対して、保護なしシングルプロセスの MS-DOS 環境を揶揄った言葉。アスキー(出版社)方面で使われていたように思うが、http://kazuhiko.tdiary.net/20050706.html#p01 によれば初出は誤植だと思われるそうである。もし初出を確認できた方がおられましたらぜひ連絡を。

陸軍端子(りくぐんたんし)

ターミナルのジャックの形式の一種で、プラグ側にはバナナプラグを使う。陸式、とも(「陸式」というのは海軍のスラングでもあるようなので見出しは「陸軍〜」とした)なんでこんな名前なんでしょうか?

はてなで聞いてみたのだが詳しい話はわからなかった。

というわけで何かご存じのかたいましたらご連絡ください。

律速(りっそく)

律ちゃんの速さのこと。どの律ちゃんかについては議論がある。

零(れい)

「零細」などの語が示すように、「れい」には、わずか、という意味がある。英語 zero にはそういった意味はない。天気予報で降水確率を「れいパーセント」と言うのには、(昔は「5パーセント未満」と発表していた)そういう含みがある。

ロフティン-ホワイト

真空管アンプの構成方式の一。Edward Hill Loftin と S. Young White による(「S.」については検索しまくってもわからんかった)。

確信は(まだ)持てませんが、こちらの特許情報 https://www.google.com/search?tbm=pts&q=ininventor:%22Sidney+Young+White%22 の Sidney Young White さんかもしれません。

(著者が S. Young White となっている Ultrasonic Fundamentals という本があり http://books.google.co.jp/books?id=5EEhAQAAIAAJ&pg=PA590(Catalog of Copyright Entries. Third Series: 1949 の 590 ページ)によると、その S は Sidney となっている)

http://content.time.com/time/magazine/article/0,9171,934603,00.html (TIME誌 1947 A Letter From The Publisher, Jul. 7, 1947) も関連ありそう

読み不詳

竜世

秋葉原山手線・京浜東北線ガード下(ニユー秋葉原センター向かい)にあった焼肉屋。カルビ丼が多い安い早い旨い(編者の主観による重要度順)で人気だった。

A-Z

ASM チャート

一見フローチャートのように見えるが、状態機械を形式的に記述できる図法。「VHDLデジタル回路設計 標準講座」の第5章に解説がある(他に文献をご存じの方はお教えください)。フローチャートと違いこれは勉強する価値があると思う。フローチャートは今の時代、PAD (Problem Analysis Diagram) か何かに代わるべきなんじゃないかと思う。情報処理技術者試験がいまだにフローチャートなのはもしかして特定のメーカー色のある(たとえば PAD は日立)図法は導入できないとかそういう理由なんだろうか。

ATMOS

日較差をエネルギー源として動く時計。

brave

勇敢な、というほぼ褒め言葉のことが多いと思うが、蛮勇寸前、という意味ではないか、と編者の経験上では思ったことがある。

Hans Reiser

http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/linux/1238673446/969 より

969 名前:login:Penguin : 2009/10/27(火) 11:39:34 ID:T/52Nhue
>>968
だれでも考えつくことだが、彼は思い立ったら実行するタイプなんだ。

od

B shell などでは、if のブロックの終了を示すキーワードは fi だが、その発想で do の終了を示すキーワードである。これをネタにしたジョークニュースレターが ACM SIGPLAN にいくつか載っている。以下に文献情報を載せる。

"do considered obviously odd in three dimensions" の Fig. 2

SE

Sound Effect

0-9

59丁目のちゃめちゃん(ごじゅうきゅうちょうめのちゃめちゃん)

『初歩のラジオ』の巻末の読者ページに連載されていた 4 コママンガ。タイトルの「59」は RS レポートがネタ元であろう。コットン 100 号というすっとぼけたロボットが妙な味を醸していた。

5大装置(ごだいそうち)

日本には、計算機の主要な装置を 5 種類とする信仰があるわけだが(東野司さんの『踊るコンピュータ』収録の「日本パソコン信仰歴史講座『伽藍配置の変化に見る信仰の流れ』」も参照)、調査の結果日本で最初に出版されたコンピュータについての専門書にまで遡ることができることがわかっている。

(上図は、城憲三・牧之内三郎 共著『計算機械』(共立出版、1953年)6.6節 から引用。左上の 120 は頁番号)

IPA が、ここまでコンピュータの歴史の保全に理解があったとは……

なお、この図における矢印は、「数値シグナル」は、すなわちデータのことと考えてよいと思われるが、「制御用シグナル」は、制御線というよりも命令の流れ、というイメージがあるように思われる(出力装置にはつながっていない、入力装置から出る向きで矢印が付いている、などから)。

68000(ろくまんはっせん)

680x0 シリーズ MPU の元祖。デマンドページングの実現にちょっとした工夫が必要だった。のだが、いくつかの場所で「後から走ってるプロセッサによって復帰する」という微妙に違った説明があったのでそういう誤解がある。正確な説明は http://www.st.rim.or.jp/~nkomatsu/mc68k/MC68000.html などにあるが、次の動画中でも簡単に説明されている http://www.youtube.com/watch?v=MRm6hZZUoIM#t=0m40s

記号

他の用語集等へのリンク

本家 Jargon File

http://catb.org/jargon/

無目的コンピュータ用語辞典

http://www.nurs.or.jp/~kneo/dic.html

WIDE用語集

http://member.wide.ad.jp/~sano/glossary/